中古車を購入する際、「整備記録簿あり」と記載されている車を目にすることがあります。整備記録簿とは、その車が過去にどのような点検・整備を受けてきたかを記録したものです。これがあると、適切にメンテナンスされてきた車である可能性が高いですが、必ずしも「整備記録簿=安心できる車」とは限りません。本記事では、整備記録簿の信頼性や、購入時にチェックすべきポイントについて詳しく解説します。
1. 整備記録簿とは?
整備記録簿(メンテナンスノート)は、車検や点検時に整備士が記録するもので、以下の情報が記載されています。
- 過去の車検・点検履歴
- 交換された部品や消耗品
- 走行距離の推移
- 整備を担当した工場やディーラーの情報
- 整備士の署名や押印
この記録簿が揃っていると、車のメンテナンス状況が明確になり、購入時の判断材料として有益です。
2. 整備記録簿がある車のメリット・デメリット
メリット
✅ メンテナンス履歴が明確:過去の点検・修理歴が分かるため、適切に管理されてきた車である可能性が高い。
✅ 走行距離の改ざんリスクが低い:点検時の走行距離が記録されているため、不正なメーター改ざんのリスクを減らせる。
✅ 適切な部品交換が行われているか確認できる:消耗品や重要部品の交換歴が明確になり、今後のメンテナンス計画が立てやすい。
✅ 再販時の価値が高い:整備記録簿がある車は、買取査定時にプラス評価されることが多い。
デメリット
❌ 整備記録簿があっても不完全な場合がある:一部の記録が欠けていたり、定期的な点検が行われていない可能性もある。
❌ ディーラー以外の整備工場での整備履歴が不明な場合も:記録簿があっても、ディーラー以外で整備された場合は詳細が記載されていないことがある。
❌ 過去の事故歴や修復歴までは分からない:整備記録簿には事故歴や修復歴の記載はないため、別途確認が必要。
3. 整備記録簿付き中古車を購入する際のチェックポイント
1. 記録が途切れていないか確認する
整備記録簿があっても、途中で点検や整備の履歴が抜けている場合があります。特に、車検ごとに適切な点検が行われているかを確認しましょう。
2. どこで整備されたかを確認する
ディーラーでの整備が中心か、一般の整備工場での整備が多いかによって、メンテナンスの質が異なる場合があります。ディーラー整備の方が信頼性が高いとされていますが、信頼できる整備工場であれば問題はありません。
3. 重要部品の交換歴をチェックする
エンジンオイルやバッテリー、タイミングベルト、ブレーキパッドなどの交換履歴があるかを確認し、今後の交換時期を予測することが重要です。
4. 走行距離の整合性を確認する
整備記録簿には点検時の走行距離が記載されているため、不自然な増減がないかをチェックしましょう。急激に距離が伸びている場合や、逆に減っている場合は、メーター改ざんの可能性も考えられます。
4. 整備記録簿がない車は信用できないのか?
整備記録簿がないからといって、必ずしも問題があるわけではありません。 ただし、以下の点に注意して購入を検討しましょう。
- 試乗して車の状態をチェック:異音や違和感がないか、自分で確認する。
- エンジンルームや下回りの状態を確認:オイル漏れやサビがないかチェック。
- 販売店の対応を確認:信頼できる販売店かどうかも重要な判断基準。
5. どんな人に整備記録簿付きの車がおすすめ?
✅ 長く安心して乗りたい人:過去のメンテナンスが分かるため、長期間安心して乗ることができる。
✅ 中古車のメンテナンスに不慣れな人:適切に整備されてきた車を選びたい場合、整備記録簿付きの車が安心。
✅ 将来的に売却を考えている人:記録簿がある車は、売却時の査定が高くなりやすい。
6. まとめ
整備記録簿がある車は、過去のメンテナンス履歴が明確であるため、購入時の安心材料になります。しかし、整備記録簿があるからといって、必ずしも完璧な車とは限りません。 購入時には記録が途切れていないか、重要部品の交換履歴があるかなどをしっかりチェックすることが大切です。
- 整備記録簿がある車は信頼性が高いが、記録の内容を確認することが重要。
- 記録簿がない車でも、実際の車両状態をしっかりチェックすれば購入可能。
- 試乗や整備状況の確認を行い、自分に合った車を選ぶことが大切。
整備記録簿を上手に活用し、納得のいく中古車選びをしましょう!