本当にあった怖い中古車その2

中古車購入

本当にあった怖い中古車:エアバック詐欺の実態

中古車市場にはお買い得な車が数多くありますが、中には非常に危険な詐欺車両も存在します。特に注意が必要なのは「エアバッグ詐欺」の中古車です。これは、エアバッグが開いた事故車を修理したと見せかけて、実はエアバッグ自体が入っていない車を販売するという悪質な手口です。

エアバッグ詐欺の詳細なプロセス

エアバッグ詐欺は巧妙かつ悪質な手口で行われることが多く、以下のようなプロセスを経て実行されます。

1. 事故車の購入

まず、詐欺師は事故でエアバッグが展開された車両を安価に購入します。

この安価な金額で購入した車を、中古部品を使用して元の状態に戻していきます。

2. 表面的な修理

購入した事故車は、外見だけが修理されます。この段階では、エアバッグシステムに関する修理は行われません。

エアバックはステアリングだけではなく、助手席のダッシュボードにも最近の車には搭載されています。

このエアバックが開くと、修理に相当な金額がかかる為、通常は直さず廃車処理をするのが通常です。

そのため、こういった廃車するような車をタダ同然で購入し、機能的なものは元に戻さずに

見た目だけを、巧妙に直すというやり方です。

3. エアバッグの偽装

ここで重要なのが、エアバッグが正しく修理されていない点です。以下のような手口が使われます。

  • エアバッグユニットの取り外し: 本来エアバッグが入っているべき場所からユニットが取り外されます。
  • ダミー部品の設置: エアバッグユニットの代わりに、発泡スチロールやプラスチックなどのダミー部品が取り付けられることがあります。これにより、見た目は正常に見えますが、エアバッグとしての機能はありません。
  • 警告灯の改ざん: 車のコンピューターシステムがエアバッグの不具合を検知しないよう、警告灯が改ざんされることがあります。これにより、エアバッグ警告灯が点灯せず、購入者に気づかれないようにします。

4. 偽の車検証や整備記録の作成

次に、車検証や整備記録が改ざんされ、エアバッグが正常に動作するかのような情報が記載されます。

  • 偽造書類の作成: エアバッグが交換・修理されたかのような整備記録が偽造されます。
  • 車検のごまかし: 車検時にエアバッグシステムのチェックが厳密に行われないことを利用して、詐欺車両が合格するようにします。

5. 中古車市場への販売

最後に、こうして修理された事故車は中古車市場に出回ります。詐欺師は車を「修復歴なし」と偽って販売し、購入者はエアバッグの欠陥に気づかずに車を手に入れます。

  • 販売手法: 詐欺師は個人売買や一部の悪質な中古車ディーラーを通じて車を販売します。オンラインマーケットプレイスも利用されることがあります。
  • 魅力的な価格設定: 車は市場価格よりも少し安く設定されることが多く、買い手の注意を引きます。しかし、この「お買い得感」は重大なリスクを伴います。

通常、エアバックの機能が正常に作動していない場合、チェックランプ等の警告灯で認識できるようになっていますが、そこもしっかりと対策してあるために、非常に厄介です。

警告灯を消灯させるために、機械的に細工して外見上はわからないようにしてしまいます。

何が問題かというと、事故を起こすまでこのエアバックについての詐欺行為がわからないという点です。

万が一の事故の際に、命を守るための装置がエアバックですが、そもそもそのエアバックの装備がないのですから、考えただけでもぞっとします。

そうならない為にも、しっかりとチェックすることが非常に重要です。

エアバッグ詐欺を防ぐための対策

エアバッグ詐欺に引っかからないためには、車両の詳細なチェックが必要です。以下に、エアバッグ詐欺を見抜くために特に注目すべき具体的なポイントを挙げます。

1. 車両履歴レポートの確認

  • 事故歴のチェック: 車両履歴レポート(CarfaxやAutoCheckなど)を確認し、過去に事故があったかどうかを調べます。エアバッグが展開された履歴がある場合は要注意です。
  • 修理履歴の確認: エアバッグシステムの修理や交換履歴が記録されているか確認します。

2. ダッシュボードとステアリングホイールの外観チェック

  • 不自然な隙間や変形: ダッシュボードやステアリングホイールに不自然な隙間や変形がないか確認します。エアバッグが展開された後に適切に修理されていない場合、微妙なズレが残ることがあります。
  • 新旧部品の不一致: 内装の一部が他の部分と新旧で不一致している場合、修理履歴がある可能性があります。

3. エアバッグ警告灯の確認

  • 警告灯の点灯状態: エンジンを始動した際に、エアバッグ警告灯が一度点灯し、その後消灯するかを確認します。警告灯が全く点灯しない場合や、エンジン始動後も点灯し続ける場合は不具合の可能性があります。
  • 警告灯の改ざん確認: 警告灯が正常に機能しているかを整備士に確認してもらいます。悪質な詐欺師は警告灯を無効化することがあります。

4. 専門家による詳細検査

  • プロの整備士による検査: 信頼できる整備士に依頼し、エアバッグシステムが正常に機能するか詳細な検査をしてもらいます。特にエアバッグモジュールやセンサーの状態をチェックしてもらうことが重要です。
  • 診断機器によるチェック: OBD-IIスキャナーを使用して車両の診断システムをチェックし、エアバッグシステムに関するエラーコードがないか確認します。

5. 購入先の信頼性確認

  • 販売店の評判: 車を購入する販売店の評判を調べます。信頼できるディーラーや販売店から購入することが安全です。
  • 個人売買のリスク: 個人売買の場合、特に注意が必要です。売り手の信頼性や過去の取引履歴を確認しましょう。

6. 価格の妥当性確認

  • 市場価格との比較: 購入予定の車の価格が市場価格と比較して異常に安い場合、その理由を詳細に確認します。価格が安すぎる場合は、エアバッグ詐欺の可能性を疑うべきです。
  • 価格に関する質問: 売り手に価格設定の理由を尋ね、納得のいく説明が得られない場合は購入を避けることが賢明です。

まとめ

エアバッグ詐欺は重大な安全問題を引き起こす可能性があります。中古車を購入する際には、上記のポイントに注意し、慎重に検討することが重要です。適切な確認と専門家の助けを借りることで、安全な車を手に入れることができます。

 

 

 

 

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