貴方はどちらを選ぶ? マニュアル車VSオートマ車

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車を購入する際、多くの人が悩むのが「マニュアル車(MT)」か「オートマ車(AT)」かという選択です。それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらが適しているかは個人の運転スタイルやニーズによって異なります。この記事では、マニュアル車とオートマ車の特徴を比較し、どちらがあなたに合っているかを見極める手助けをします。

マニュアル車を運転するためには、オートマ限定免許では不可能?

AT限定免許(オートマチック車限定免許)は、日本の運転免許制度において、自動車のトランスミッションがオートマチックトランスミッション(AT)である車両のみを運転することが許可される免許です。これは、免許取得時の教習や試験がオートマ車に限定されているため、マニュアルトランスミッション(MT)車の操作に必要な技術や知識が十分に習得されていないことを前提としています。

まずは、オートマ・マニュアルを選択する前に、マニュアル車を運転可能な免許かどうかを確認する必要が有ります。

1.AT限定解除の方法

自動車教習所での限定解除

最も一般的な方法は、自動車教習所に通ってAT限定解除の教習を受けることです。

  • 教習内容: 教習所では、クラッチ操作やギアチェンジなど、マニュアル車を運転するための基本的な操作を学びます。通常、実技教習は数時間程度で完了しますが、個人の習熟度によっては追加で教習が必要になる場合もあります。
  • 修了検定: 教習が終わると、教習所内で「修了検定」と呼ばれる実技試験を受けます。この試験に合格すると、教習所から「技能教習終了証明書」が発行されます。
  • 免許センターでの手続き: 教習所の修了検定に合格した後、運転免許センターで手続きを行います。必要書類を提出し、免許証の書き換えが行われます。

直接運転免許試験場での受験

もう一つの方法は、教習所を経由せずに直接運転免許試験場で実技試験を受けることです。この場合、実技試験に合格すれば、AT限定解除が行われます。ただし、試験に合格するまでの道のりは難しく、合格率は比較的低い傾向にあります。

  • 試験内容: 実技試験では、クラッチ操作、シフトチェンジ、エンスト対策、坂道発進など、マニュアル車の基本的な操作が試されます。
  • 手続き: 試験場での試験に合格した後、その場で免許の更新手続きを行います。

2. AT限定解除にかかる費用

費用は方法や地域、教習所によって異なりますが、以下はおおよその目安です。

  • 教習所での費用: 教習所でのAT限定解除のコース費用は、通常5万円から8万円程度です。この費用には、教習料、修了検定料、免許更新手数料などが含まれています。追加で教習が必要な場合、その分の費用が追加されることがあります。
  • 運転免許試験場での費用: 直接試験場で受験する場合、試験料は数千円程度で済みますが、試験に合格しないと再試験が必要となり、そのたびに試験料が発生します。また、試験のために事前に練習する場合は、マニュアル車のレンタル費用や練習場所の利用料などが別途かかる可能性があります。

3. 手続きに必要な書類

AT限定解除の手続きを行う際には、以下の書類が必要となります。

  • 現在の運転免許証
  • 教習所で発行された技能教習終了証明書(教習所を利用する場合)
  • 免許更新手数料

4. 解除後の免許証

AT限定解除が完了すると、免許証に記載されていた「AT限定」の条件が削除され、MT車も運転できるようになります。免許証の更新手続き後、新しい免許証が発行されます。

以上が、AT限定免許を解除するための方法とおおよその費用についての説明です。自分の運転スキルや予算に応じて、最適な方法を選んで進めることをお勧めします。

オートマ車・マニュアル車のそれぞれのメリットは?

オートマ車(AT)のメリット

  1. 運転が簡単: オートマ車は、クラッチ操作が不要で、アクセルとブレーキだけで運転できます。これにより、初心者でも比較的簡単に運転を習得できます。
  2. 都市部での運転が楽: 渋滞時や長時間の運転でも、ギアチェンジの必要がなく、疲れにくいです。また、坂道発進も容易です。
  3. 安全性が高い: 最近のオートマ車は、先進的なドライバーアシスト機能が搭載されていることが多く、事故を未然に防ぐためのサポートが充実しています。

マニュアル車(MT)のメリット

  1. 燃費が良い: マニュアル車は、ドライバーがシフトチェンジを手動で行うため、エンジンの効率を最大限に引き出すことができます。これにより、燃費がオートマ車よりも良い場合があります。※ただし、現在のオートマ車は非常に燃費も優れている為、100%とは言えない状況です。
  2. 運転の楽しさ: マニュアル車は、自分でギアを変えることで運転の一体感を味わうことができます。特にカーブの多い道や山道では、エンジンブレーキを駆使してコントロールする楽しさがあります。
  3. 車両価格が安い: 一般的に、マニュアル車はオートマ車に比べて車両価格が安いことが多いです。初期費用を抑えたい方にとって魅力的な選択肢です。※一部のマニュアル車は、希少価値が出始めているものもあり、AT車よりもマニュアル車の方が価格高騰している事例もあります。

一方のデメリットは?

オートマ車(AT)のデメリット

  1. 燃費が悪い場合がある: 昔のオートマ車は、燃費がマニュアル車に比べて悪いことがありました。近年の技術進歩で改善されているものの、依然として車種によっては燃費に差が見られることがあります。
  2. 運転の楽しさが減る: ギアチェンジの操作がないため、運転の楽しさを感じにくいと考える人もいます。特に運転を趣味とする方にとっては物足りなさを感じるかもしれません。
  3. 車両価格が高い: オートマ車は一般的にマニュアル車よりも車両価格が高くなることが多いです。また、修理費用やメンテナンス費用も高くなる傾向があります。

     

    マニュアル車(MT)のデメリット

    1. 都市部での運転が疲れる: 渋滞が多い都市部では、頻繁なクラッチ操作やシフトチェンジが必要です。これが長時間続くと疲労感が増します。
    2. 初心者には難しい: マニュアル車の操作は、クラッチ、アクセル、シフトレバーを同時に操作する必要があり、初心者には難しいと感じられることが多いです。特に坂道での発進などは、経験が必要です。
    3. 再販価値が低いこともある: 日本ではオートマ車が主流のため、マニュアル車の需要が少なく、再販価値が低くなる可能性があります。ただし一部の車種に関しては、高騰の兆しもあります。

   事故比率が、AT車の方が多いというのは間違い

近年のニュースでよくあるのが、ペダルの踏み間違えによる事故です。特に年配の方の事故が多く、そのほとんどが、AT車という事から、AT車は事故確立が高くなるというような印象があります。

しかし、実際はそのようなことはありません。日本を含む多くの国では、AT車の普及率が非常に高いため、事故の全体数としてはAT車によるものが多くなります。しかし、これは単純にAT車の数が多いためであり、事故率そのものが高いわけではありません。

ただし、AT車とマニュアル車では、事故の種類に大きな違いがあります。

 

AT車

  • ペダル踏み間違い事故: AT車では、アクセルとブレーキのペダルを踏み間違えることが事故原因の一つとして多く報告されています。この誤操作によって、駐車場や市街地での急発進・急加速による衝突事故が発生しやすくなります。
  • 漫然運転による事故: AT車は操作が簡単なため、運転者が注意を怠ることで、漫然運転による追突事故や車線逸脱事故が発生することがあります。
  • AT車には、クリープ現象が発生するためこのクリープ現象による事故も起こる可能性が有ります。

    MT車

    • 操作ミスによる事故: MT車では、クラッチ操作やシフトチェンジのミスが事故の原因になることがあります。特に坂道発進時のエンストや、ギアの選択ミスによる急な車両挙動が関係する事故が挙げられます。
    • 速度調整ミスによる事故: エンジンブレーキを過信したり、適切なギアに入れなかったりすることで、速度調整に失敗し事故が発生することがあります。

    運転者の特性

    運転者の特性によっても、事故の発生率に影響があります。

    • AT車を運転する層: 日本では、AT車を運転する人は非常に多く、特に高齢者や運転経験が少ない初心者が多い傾向があります。これらの層が事故を起こしやすいことが、AT車の事故比率を高く見せている一因です。
    • MT車を運転する層: 一方で、MT車を運転する人は、比較的運転に慣れている人や、車の操作を楽しむ人が多い傾向があります。このため、意図的にMT車を選ぶ層では事故率が低くなる傾向があるかもしれません。

    4. 事故率に関する調査

    いくつかの調査によると、AT車は特定の状況下(駐車場での事故や踏み間違い事故など)で事故が多いとされていますが、MT車は運転者の運転技術や状況判断力が求められるため、運転に慣れていない場合に事故が発生しやすくなる可能性があります。

    マニュアル車の価格上昇傾向について

    近年、MT車(マニュアル車)の価格が上昇しているという現象が見られます。その主な要因についていくつか説明します。

    1. 生産台数の減少

    マニュアル車は、かつては主流のトランスミッションでしたが、現在ではオートマ車が市場の大半を占めています。これにより、メーカーはMT車の生産を縮小し、特定のモデルや一部の市場に限定して提供するようになっています。生産台数が少なくなることで、供給が限られ、結果として価格が上昇する傾向があります。

    2. 需要の変化

    マニュアル車は、運転の楽しさやドライバーとの一体感を求める一部の愛好者やエンスージアストに根強い人気があります。特にスポーツカーやオフロード車など、走行性能や運転のダイナミクスを重視する車種において、MT車の需要が根強く残っています。この限られた需要層が、市場において希少なMT車に高い価値を見出し、結果的に価格が上昇することがあります。

    3. エンジニアリングと生産コスト

    オートマ車が主流となる中で、MT車の開発や製造はコストがかかるものになっています。MT車のための特別な設計や部品の開発、製造ラインの維持には追加のコストが必要です。このコストが車両価格に反映され、価格上昇の一因となっています。

    4. 中古市場の価格上昇

    新車のマニュアル車が減少する一方で、中古車市場におけるMT車の需要が増加しています。特に、スポーツカーやクラシックカーのMTモデルは希少性が高まり、コレクターや愛好者の間で高値で取引されることがあります。これにより、中古市場でも価格が上昇しています。

    5. エコカーや自動運転技術の普及

    ハイブリッド車や電気自動車(EV)、さらには自動運転技術の進展により、MT車の役割がさらに限定的になっています。これにより、車全体としてのマニュアル車のラインナップが縮小し、その結果として希少なモデルの価格が上昇しています。

    6. 規制や法的要件

    一部の地域や国では、環境規制や安全基準が厳格化され、これに対応するために新しいMT車を開発・販売することが難しくなっている場合があります。このような規制の影響で、新車のMT車がますます少なくなり、その結果、残存するMT車の価格が上昇することがあります。

    あなたに最適なのはどちらか?

    1. 運転を楽しみたいか? もし、運転そのものを楽しみたい、特にドライブが趣味であったり、車を操る感覚を大切にしたいと考えるなら、マニュアル車が適しているでしょう。特にスポーツカーや趣味性の高い車種を検討している場合、マニュアル車の方が満足度が高いことが多いです。

    2. 日常の利便性を重視するか? 都市部での通勤や日常の買い物など、日々の運転で快適さや利便性を求めるのであれば、オートマ車が適しています。運転が簡単で、ストレスなくスムーズに移動できることは、生活の質を向上させる要因になります。

    3. コストパフォーマンスを考慮するか? 初期費用や燃費、将来的なメンテナンス費用を重視する場合、マニュアル車が有利です。しかし、将来の再販価値や、日常の快適さ、さらには最新の安全技術を考慮するなら、オートマ車の方が総合的にコストパフォーマンスが良い場合もあります。

    4. 将来的な価値を考えるか? MT車の供給が減少している中で、希少な存在となりつつあるマニュアル車は、コレクターズアイテムとしての価値が上がる可能性があります。一方、日常使いを考えた場合、AT車は再販価値が高く、将来的にも安定した選択肢となるでしょう。

    結論

    車選びにおいて、マニュアル車とオートマ車のどちらを選ぶかは、あなたの運転スタイルやライフスタイル、そして将来の計画に深く関わっています。運転の楽しさやコントロール感を求めるならマニュアル車が、利便性や快適さ、安全性を重視するならオートマ車が適しています。どちらを選んでも、最終的には自分にとって最も価値のある車を選ぶことが重要です。

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