本当にあった怖い中古車 その1

中古車購入

中古車市場には魅力的な価格で販売される車が多くありますが、その中には見えない罠が潜んでいることも少なくありません。今回は、そんな中古車の怖い話の第一弾として「走行距離の巻き戻し車」についてお話しします。

走行距離の巻き戻しとは?

走行距離の巻き戻し(オドメーター改ざん)は、中古車の走行距離を実際よりも少なく見せかけるために行われる不正行為です。オドメーターの表示を操作することで、車の価値を高めようとする悪質な手法です。走行距離が少ない車は、一般的に状態が良いと見なされ、価格が高く設定されるため、この手法は詐欺的な利益を得るために行われます。

走行距離巻き戻しのリスク

走行距離が改ざんされた車を購入することには、いくつかの重大なリスクが伴います。

  1. メンテナンス記録の不透明化: 車の走行距離に基づいて計画される定期メンテナンスが適切に行われていない可能性があります。例えば、タイミングベルトの交換やオイル交換が適切なタイミングで行われていなければ、エンジンの故障や他の重大な問題が発生するリスクが高まります。
  2. 寿命の短縮: 実際の走行距離が多い車は、各部品の摩耗が進んでいるため、購入後に予期せぬ修理が必要になる可能性があります。特に、エンジンやトランスミッションの寿命が短くなると、修理費用が高額になることがあります。
  3. 安全性の低下: 走行距離が多い車は、ブレーキやサスペンションなどの安全に関わる部品が劣化していることが多いため、事故のリスクが高まります。また、エアバッグなどの安全装置が正常に機能しない場合もあります。

走行距離の巻き戻し車を見分ける方法

走行距離の巻き戻し車を避けるためには、以下のポイントに注意することが重要です。

  1. 車両履歴レポートの確認: 車の過去の走行距離や事故歴を確認できる車両履歴レポートを取得し、矛盾がないか確認しましょう。
  2. 整備記録の確認: 車の整備記録や点検記録を確認し、走行距離が連続しているかをチェックします。記録が途切れていたり、飛び飛びになっている場合は注意が必要です。
  3. 目視によるチェック: ステアリングホイールやペダル、シートの摩耗状態をチェックしましょう。これらが走行距離に見合わないほど劣化している場合は、走行距離が巻き戻されている可能性があります。
  4. 専門家の検査: 中古車購入前に信頼できる整備工場や第三者機関による検査を受けることを強くおすすめします。専門家は走行距離の不正を見抜く方法を熟知しています。

実は輸入車に多い走行距離の巻き戻し、その理由とは?

1. 高価なイメージと高リセールバリュー

輸入車は一般的に高級車と見なされることが多く、新車価格も高いため、中古車市場でも高値で取引される傾向にあります。走行距離を少なく見せかけることで、車の価値を高く見せ、より高い価格で販売しようとする業者が存在します。特に人気の高いブランドやモデルは、その傾向が顕著です。

2. メンテナンス履歴の不透明さ

輸入車のメンテナンス履歴は、国内車に比べて取得しにくい場合があります。特に並行輸入車の場合、正規ディーラーを通していないため、詳細なメンテナンス履歴が残っていないことが多く、走行距離の巻き戻しが発覚しにくい環境にあります。このため、購入者が過去のメンテナンス状況を正確に把握するのが難しくなります。

3. 流通経路の複雑さ

輸入車は、複数の業者を経由して販売されることが多く、その過程で走行距離が改ざんされるリスクが高まります。特に、複数の国を経由する場合、その国々の規制や管理体制の違いを悪用して不正が行われることもあります。こうした複雑な流通経路は、消費者にとって車の過去を追跡するのを困難にします。

4. 消費者の知識不足

輸入車は、国内車に比べて特性やメンテナンスに関する情報が少ないため、消費者が適切に評価できない場合があります。特定のモデルや年式に関する知識が不足していると、走行距離の不自然さに気付かないことがあります。このような知識のギャップを悪用する業者がいるため、巻き戻しが横行しやすくなります。

5. 需要の高さ

特定の輸入車ブランドやモデルは国内で非常に人気が高く、中古車市場でも高い需要があります。この需要を満たすために、不正な手法で走行距離を巻き戻してでも高値で売りたいという業者が存在します。需要が高い分、利益を追求するための不正が行われやすいのです。

中でも並行輸入車が圧倒的に多い

並行輸入車とは?

並行輸入車とは、正規ディーラーを通さずに個人や業者が海外から直接輸入した車を指します。正規輸入車と比べて価格が安いことが多く、希少なモデルや仕様の車が手に入るため、一部の消費者には人気があります。しかし、その一方で走行距離の巻き戻しなどの不正が発生しやすいリスクも抱えています。

アメリカからの並行輸入車は、本国を出る際にメーターを戻されてしまう場合がほとんどです。

これは、特に規制もなく日本人に高額な価格で、中古車を売りさばくために行われています。

走行距離の巻き戻し車 ~オートチェックリポートで防ぐ~

中古車市場には、注意すべき「怖い」車が潜んでいます。その中でも特に厄介なのが、走行距離を改ざんした車です。しかし、最新のテクノロジーとツールを活用することで、このような問題車を避けることができます。今回は、オートチェックリポートを活用して走行距離の巻き戻しを防ぐ方法についてご紹介します。

オートチェックリポートとは?

オートチェックリポート(AutoCheck Report)は、中古車の詳細な履歴情報を提供するレポートです。アメリカで広く利用されているサービスで、車両の過去の事故歴、所有者履歴、メンテナンス履歴、そして走行距離の変遷など、多岐にわたる情報を含んでいます。日本でも一部の輸入車や並行輸入車で利用されています。

オートチェックリポートの活用方法

1. 走行距離の一貫性を確認

オートチェックリポートには、過去の走行距離の記録が含まれています。これにより、走行距離が不自然に減少していないかを確認できます。一貫性のある走行距離の記録は、巻き戻しが行われていないことを示します。

2. 事故歴の確認

走行距離の巻き戻しだけでなく、過去の事故歴も確認できます。重大な事故歴がある車は、走行距離が改ざんされている可能性があります。事故歴をチェックすることで、車の全体的な状態を把握できます。

3. 所有者履歴のチェック

所有者の数や所有期間も重要な情報です。頻繁に所有者が変わっている場合や短期間で売却されている場合、走行距離の改ざんが疑われます。所有者履歴を確認することで、車の信頼性を判断できます。

4. メンテナンス記録の確認

オートチェックリポートには、メンテナンス記録も含まれています。適切なメンテナンスが行われているかを確認し、不自然な点がないかをチェックします。メンテナンス記録と走行距離が一致しているかを確認することで、不正を見抜くことができます。

オートチェックリポートの取得方法

オートチェックリポートは、以下の方法で取得できます。

  1. オンラインで購入: オートチェックの公式ウェブサイトで車両のVIN(Vehicle Identification Number)を入力し、レポートを購入します。
  2. 信頼できる販売店から取得: 一部の中古車販売店では、オートチェックリポートを提供している場合があります。購入前に確認してみましょう。

まとめ

中古車の購入にはリスクが伴いますが、オートチェックリポートを活用することで、走行距離の巻き戻しやその他の不正を防ぐことができます。リポートをしっかりと確認し、車の履歴を把握することで、安全で信頼できる車を選びましょう。

中古車購入時の不安を解消し、安心して車選びを楽しむために、オートチェックリポートをぜひ活用してみてください。

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